2019年3月
レオナルド・ダ・ヴィンチ没後500年
ダ・ヴィンチ没後500年記念
ルネサンス検証の若き権威が芸術を科学する
美術史家ピエールジャコモ・ペトリオーリ博士による
「現代日本美術解体新書」
ルネサンス3大巨匠の中でも人類史上最も多才な人物と称されるレオナルド・ダ・ヴィンチが没後500年を2019年に迎えました。
ダ・ヴィンチは美術や音楽に限らず建築・土木工学、数学、幾何学、解剖学、生理学、動植物学、天文学、気象学、地質学、地理学、光学、力学など様々な分野の手稿を遺し、かのヴァサーリ回廊で有名なジョルジョ・ヴァサーリが編纂した美術家彫刻家列伝では、「計り知れない優雅さ」、「強靭な精神力と大いなる寛容さ」、「威厳ある精神と驚くべき膨大な知性」を兼ね備えていると評されています。
そうした評価の高いダ・ヴィンチの没後500年を記念し、シエナ日本美術家協会では万能の人レオナルド・ダ・ヴィンチ賞を設置し、日本の美術家が表彰されることになりました。
その一人にこの度選出され「レオナルド・ダ・ヴィンチ賞」並びに「シエナ日本美術家協会」の会員に推挙いただきました。
左:レオナルド・ダ・ヴィンチ賞 右:シエナ日本美術家協会会員証
bub-ten第68號掲載
ノルウェージャンフォレストキャットのミユの羊毛フェルト作品です。
「この作品は一見本物に見え、当の本物の猫が耳にかじりついてきた作品で、この作家の超写実的な作品を更にリアルにしている」と評価されています。
うちのミユがこの作品が出来た時、主人に撮影をしてもらっていたところ、通りがかったミユが驚いて噛みついたというハプニングがありました。
昨年夏に来日したペトリオーリ博士にこの逸話を覚えていてくださり、ペトリオーリ博士が評価の中で書いてもらえて嬉しかったです。
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「日本の美」イタリアより「バッカス賞」
誌上におけるウフィッツィ美術館250周年記念展「日本の美」において
「バッカス賞」をイタリアよりいただきました。
イタリア・フィレンツェのウフィッツィ美術館と言えば有名ですが。
その美術館の名前を冠とした今回の誌上における展示会に
イタリアのルネサンス研究の権威ピエールジャコモ・ペトリオーリ博士より
「ロシアンブルーのローザ」が高く評価され賞をいただきました。
ペトリオーリ博士のイタリア語の解説が掲載されています。(bun-ten第66號)
この本はウフィッツィ美術館にも所蔵されているとの事、イタリアでもご覧いただけるそうです。
和訳:「ロシアンブルーは太古からロシア北西部に生息していた最も美しい品種のひとつと言われる。
作家は、この純粋な美しさを描写するために、しなやかで溌剌とした身体の優雅さを完璧なまでに写実的に表現している。
江戸時代から明治期の浮世絵師たちが、猫の姿を描くことを好み、様々な描写で残しているが、
熊木早苗氏は猫の現代的な手法を用いつつ、溢れる愛情と感受性によって現代日本の生活まで的確に表現している。」(原本からの写し)
このような評価をいただき今回の受賞となりました。
では何故?カラバッジョの「バッカス賞」なのだろうと考えていたところ。
酒好きだからでしょうと揶揄されますが、実は飲みすぎると気分が悪くなるのでホドホドのところが美味しいと思ってます。
しかし、私がお酒が好きだという事はペトリオーリ博士は知る由もありません。
ミケランジェロ・メリージ・カラバッジョ作「バッカス」
このバッカスなる人物は実は若者がバッカスに変装をしているのであって、神話のバッカスを描いたものでは無いそうです。
カラバッジョの作品は
「本物を本物らしく 圧倒的な写実でとらえたのは
あるがままの命の姿 超絶技巧のリアリズム」
「徹底したリアリズム」(美の巨人たちからの引用)
ある日、大好きな番組のひとつで「美の巨人たち」を見ていて気が付きました。
ペトリオーリ博士が評価していただいたことが、そこにあるのだと。
写実的に表現したロシアンブルーをカラバッジョの作品になぞっていただけたのだと思いました。
大変ありがたい賞をいただいことに、この番組を見るまでは気付けなかった愚かな私です。
高い評価をいただき本当に感謝しております。
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